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翻訳作業について語りたいと思います。
とはいえ、僕自身はどちらかというと文学志向の人間ですので、文学に絡めて翻訳についてお話しますね。
さて、皆さんは「夏目漱石」という日本の作家をご存じだと思います。
何年か前までは千円札を飾っていた作家だし「吾輩は猫である」「坊っちゃん」という作品名はお聞きになったことがあるでしょう。
評価はいろいろありますが、国語の教科書では夏目漱石は「近代日本語」を創出した偉大な作家であるとされています。
近代日本語というのは、つまり僕が今こうしてキーボードで書いている文章も近代的な日本語といえなくもないし…。
もっとわかりやすく言うと、江戸時代の文章って想像つきますよね。
「拙者が、なになにいたす」
とか?(笑)
まぁ僕も知りませんが、現代人である我々が使用している日本語とは全く別物なのでしょう。
そういった「古い日本語」を乗り越えて、現代に通じる日本語を作った人物が夏目漱石だと言うのです。
さて、この「新しい日本語」を作った夏目漱石ですが「全く何もないところから、ある日突然ポンッ」と天才的発明のように日本語を創出したわけではありません。
はい、勘の良い皆様ならそろそろお気づきかもしれません。
そう「英語」です。
夏目漱石はもともと「トリストラム・シャンディ」や「ガリバー旅行記」といった英語で書かれた海外小説が大好きで、
彼はその英語で書かれた難解な文章を日本語に訳すことで「新しい日本語」の創出を試みたのです。
結果、大成功したというのは歴史が証明していますね。
日本語というのは、何もないところから、なんとなく偶発的に生まれてきて、そしてなんとなく世間に浸透していったような代物ではかったのです。
近代日本語は「外国語」との戦いであるったと言っても過言ではありません。いかに外国語を日本語に訳すことが大事であるか。
夏目漱石はもとより、谷崎純一郎、三島由紀生といった著名な作家らもあらゆる局面で外国語と格闘しました。
最近で有名なのはノーベル文学賞候補にもなった村上春樹ですね。
英語・英会話学習に励む日本人は多く存在しますが、英語はただ異質な言葉として意味を理解して、話せればそれで満足。それだけではもったいない。
英語は「まだ誰も見たことのない、新しい日本語」を作りだすダイヤの原石でもあるのです。
英語の翻訳はとにもかくにも面白い、非常にクリエイティブな作業。
絵や音楽だけが芸術ではありません。英語や日本語もひとつの芸術作品なのです。
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